【徹底比較】平屋と総二階どっちが後悔しない?コスト・耐震性・老後・土地条件までプロが解説

平屋と総二階、どちらが本当に得?コスト差・耐震・断熱・老後の暮らしやすさ・土地条件など、注文住宅で後悔しないための選び方をプロが徹底解説。あなたに合う家づくりのヒントが満載です。

【平屋VS総二階】後悔しない家づくり徹底比較ガイド

【徹底比較】平屋と総二階どっちが後悔しない?コスト・耐震性・老後・土地条件までプロが解説

「平屋に憧れるけれど、やっぱり総二階の方が現実的?」

注文住宅を建てる多くの方がこの疑問に悩みます。
平屋は人気が高い一方、実際には総二階(1階・2階がほぼ同じ面積の家)が圧倒的多数。

その理由や、どちらが本当に「損得」なのか、コスト・耐震性・老後・土地・資産価値まで徹底比較します。

平屋と総二階の違いとは?

比較項目平屋総二階
階数1階のみ1階+2階(同じ面積)
必要土地面積延床面積と同等またはやや広い延床面積の約半分
階段不要必要(約3畳分スペース)
屋根・基礎面積広い(延床面積分)狭い(1/2)
動線シンプル(上下移動なし)上下移動・家事動線がやや複雑
プライバシー家族同一階で一体感1・2階で分離しやすく来客時に有利

平屋のメリット

1.階段がなく、老後も安心して暮らせる家
・階段スペースが不要で、居住空間が広く取れる
・家事や生活動線がシンプル
・小さなお子様から高齢者まで安全に暮らせる
・老後や将来的なバリアフリー性が高い
2.優れた耐震性
・建物の高さが低く、重心が安定
・地震時の横揺れ負荷が小さいため倒壊リスクが少ない
・熊本地震後、平屋の建て替えが急増したのも耐震性への信頼の証
3.屋根面積が広く、太陽光発電に有利
・広大な屋根面積で太陽光パネルを多く設置できる
・デザインの自由度も高く、フラットな屋根に憧れる人も多い
4.資産価値・売却時に有利
・見学会では平屋の方が来場者数が2倍になるほど人気
・バリアフリーや安全性から、高齢社会での中古住宅市場でも高評価

総二階のメリット

1.圧倒的なコストパフォーマンス
・同じ延床面積なら、総二階の方が基礎・屋根面積が半分で済み、建築コストが安くなる
例:延床30坪の家なら、平屋は基礎・屋根が30坪分、総二階なら15坪分で済み、300万円程度の差になることも
2.断熱・省エネに強い
・外皮面積(外気に接する面積)が小さく、熱が逃げにくい
・1階と2階の間の床は「内側」なので断熱効率が高い
・集合住宅が暖かい理由と同じ理屈
3.プライバシーの確保がしやすい
・1階はリビングや来客用、2階は寝室や子供部屋など、ゾーン分けが容易
・来客時でも家族のプライベートを守れる

平屋のデメリット

1.水害時に垂直避難ができない
・2階がないため、洪水や浸水時に避難先が屋根しかない
・水害リスクの高いエリアでは慎重に判断(ハザードマップを必ず確認)
2.建築コストが割高
・基礎・屋根など高額な部分の面積が2倍必要
・同じ構造・仕様なら300万円程度割高になることも
3.土地のコストが高い
・同じ延床面積なら、平屋は総二階の2倍の土地が必要
・坪単価20万円の土地なら、15坪分=300万円追加になる場合も

総二階のデメリット

1.老後やケガのときに2階が使いにくい
・年齢を重ねて階段移動が困難になり、2階が使われなくなるリスク
・1階に将来の寝室を確保しておくと安心
2.上下移動の手間と家事動線の複雑さ
・洗濯、掃除、荷物運びなど、日常的な上下移動が増える
・特に子育て世帯は家事効率に注意
3.間取り設計の制約
・総二階の場合、1階と2階が同じ広さなため、1階に必要な部屋を配置すると窮屈になりがち
・浴室や洗濯室が2階に配置されることもあるが、家事動線を工夫することで改善可能

コスト・土地・資産価値の比較

項目平屋(30坪)総二階(30坪)
基礎・屋根の面積30坪分15坪分
建築コスト目安2,000万円~1,700万円~
土地必要面積60坪~30坪~
土地コスト
(坪20万円)
1,200万円600万円
トータル初期費用3,200万円~2,300万円~
※実際の費用は仕様・土地条件で変動します。

どちらが向いている?チェックリスト

平屋がおすすめな方

・階段なし、老後まで安心して暮らしたい
・大きな土地が確保できる
・多少コスト高でも快適性・安心感を重視
・耐震性・バリアフリー重視

総二階がおすすめな方

・コスト重視・土地面積に制約がある
・断熱性、省エネ性を重視
・プライバシーやゾーニングも大切
・家族の人数が多い/子育て世帯

Q&A よくある悩みとアドバイス

Q. 老後のことを考えると平屋?
A. 老後やバリアフリー性を最重視するなら平屋。ただし水害リスクや土地コストも考慮を。


Q. コストを抑えたいなら?
A. 総二階の方が初期費用も土地費用も安いです。平屋は広い土地が必要なので、予算や土地条件を慎重に計算を。


Q. 水害リスクがある地域なら?
A. 平屋は垂直避難ができないので、浸水リスクの高い場所は避けるか、総二階の選択肢も検討しましょう。


Q. 家事動線やプライバシーは?
A. 平屋は動線がシンプル、総二階はプライバシーや部屋の分離に有利です。優先順位を決めて選択を。

まとめ:後悔しない家づくりのために

平屋と総二階のどちらが良いかは、あなたの家族構成、予算、土地条件、ライフスタイルによって答えが変わります

平屋は老後の安心感、耐震性、資産価値で優れていますが、建築費と土地費で総額600万円程度高くなる可能性があります。

総二階はコスト効率と断熱性能に優れていますが、老後の階段移動や家事動線の負担があります。

大切なのは、憧れだけでなく長期的な視点で総合判断することです。

平屋への憧れが強くても予算オーバーでは本末転倒ですし、コスト重視で総二階を選んでも将来の生活変化に対応できなければ後悔します。

この記事の比較内容を参考に、専門家とも相談しながら、あなたの家族が長く幸せに暮らせる住まいを選択してください。